調査捕鯨撤収、真相は鯨研の経営難?

背景にあるのが調査船(グリーンピースのプレスリリースから引用)

環境NGOのグリーンピースはこのほど、日本政府が2月18日に発表した南極海での調査捕鯨の中止と船団の撤収について、その理由を反捕鯨団体の妨害ではなく、調査を実施する日本鯨類研究所(鯨研)の経営難にあると発表した。

調査捕鯨は3月まで実施する予定だったが、現場海域では米国の反捕鯨団体「シー・シェパード」の抗議活動が激化。鹿野道彦農相は18日の記者会見で「調査船と乗員の安全確保の観点から、調査を切り上げる」と撤収の理由を説明していた。

ところがグリーンピースによれば、実際には冷凍クジラ肉の国内在庫は年間約1千トンずつ増加し、昨年12月の時点で5千トンを突破。調査捕鯨の運営資金を鯨肉の販売で捻出しきれず、年間1億5千万円程度の赤字を出していると指摘。「消費の低迷が引き起こしたクジラ肉在庫の増加による生産調整が真相」と指摘している。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年2月21日

グリーンピース プレスリリース

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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