東電の電力回復策に自然エネなし

東電が18日公開した政府との合同による「福島原発事故対策統合連絡本部」(15日開催)の様子。前列左から2人目が清水正孝社長、その右が勝俣恒久会長、一人置いて海江田万里経済産業大臣

東京電力の清水正孝社長は18日の参院予算委員会に政府参考人として初めて出席した。今夏の電力不足について、清水社長は「約5200万キロワット(kw)の供給力をなんとか確保したい。小型のガスタービンなども含め、さらに積み増したい」と述べ、現在の計画より供給力をさらに増強する意向を示した。

東日本大震災で東電の電力供給力は一時、3100万kwまで低下していた。しかし、火力発電設備の復旧に加え、既存の千葉など3火力発電所での小型ガスタービンの増設(4月15日時点計画で発電能力110万kw)、夜間にくみ上げた水で日中に発電する揚水発電の活用、各企業の工場に設置された自家発電設備からの余剰電力の調達なども行って5200万kwまで回復する見込みとなった。

ただし電力の回復分の大半は既存全力網の復旧で、国民が期待する自然エネルギーの将来の増加の道筋は示されていない。また夏場の需要は5500万kw前後と予想されており電力不足の状況は続く。企業や個人に一段の節電が求められる状況は続きそうだ。(オルタナ編集部=石井孝明)4月20日

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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