倒産危機を乗り切る知恵を、東北の企業

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津波でラベルがなくなっても金華さばの缶詰は完売(写真提供:木の屋石巻水産)

東日本大震災による農林水産業の被害総額は約2兆1000億円。食品加工など第一次産業と関係が深い企業が多い被災地では、未だ事業再開の見通しがたたない企業や商店も少なくない。雇用確保と産業復興のための支援企業を募る声が東北で高まっている。

今週開かれた新産業文化創出研究所(東京・千代田)主催の「復興支援異分野連携プロジェクト会議」では、仙台の被災産業の現状と被災地ニーズが伝えられ、ビジネスチャンスを求める約30社の企業人が耳を傾けた。

農業、漁業などの第一次産業は、高齢者の廃業続出が懸念されている。港湾施設などのインフラ復旧や塩害被害を受けた農地への早期対策が待たれるとともに、就業復帰の支援も必要。第一産業が経営の多角を行う「第六次産業」を目指す方向もあるという。そのためには「アグリビジネスなどで若い人を応援してくれる企業の支援が必要」と参加したFMS綜合研究所の三輪宏子氏は語る。

第二次、三次産業も課題は多い。工場が被災にあった水産加工会社は在庫商品を販売しながら、当面の資金繰りをしている。設備投資よりも運転資金を必要としている局面だという。売掛金の回収も不透明なことから、1~2年後にも経営難に陥る企業が出るとの見方もある。

復興ファンドや水産業復興特区への期待も高まる。ただ、事業誘致や企業誘致を望む一方で、採算重視で地元に利益をもたらさない大手企業に対しては、地元の抵抗感も強い。

中小企業にとっては、今夏が勝負との声もある。直接被害がなくても取引先が被災するなど、販路が少なくなっている企業がある。仙台市産業振興事業団の加藤博之氏は、「金華さばや穴子など本当に美味しいものは、アンテナショップでもすぐに売り切れることから、県外での販路の復旧や拡充が重要」と訴える。

東北の名産品を食卓に並べることが、新産業に繋がるきっかけとなる。東京池袋の「宮城ふるさとプラザ」では、10日まで震災復興応援感謝祭を開催中だ。(オルタナ編集部=有岡三恵)

 

2011年7月8日(金)11:37

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