若者が楽しめるまち目指す「石巻2.0」

このエントリーをはてなブックマークに追加

「石巻川開き祭り」で賑わう、石巻2.0のインフォメーションセンター

津波による甚大な被害を受け、死者行方不明者が5千人以上の石巻市。現在も上下水道などインフラ復旧が待たれる中、民間ベースの新しいまちづくりが始まった。「石巻 2.0」と名付けられた活動は、地元商店主や大学、建築家やクリエーター、広告代理店、不動産関係者など多くの人が集まるプラットフォームとなり、「川開き祭り」に合わせて7月23日~8月1日まで「スタンドアップウィーク」としてシンポジウム、野外映画際などを開催し、好評を博した。

■ 重層的なネットワークから
市の中心部で阿部新旅館を営んでいた阿部久利氏(有限会社阿部新代表取締役)が4月初旬、建築家の芦沢啓治氏に津波被害の状況を「見に来て」と声をかけたのがきっかけだった。芦沢氏は阿部新の改修を手がけ、旧知の仲だった。

被災以前から中心部の商店街はシャッター通りになる問題を抱え、「僕たち若い世代が何かをやらないと、石巻は変わらない」と阿部氏は問題意識を抱えていた。芦沢氏と話す中、今後の石巻のために「とにかく今やれることをやり、情報発信をすれば、支援者もいるので、その受け皿となるプラットフォームをつくろう」ということになった。

被災した横町で、風鈴や灯籠のインスタレーション

支援のネットワークは、建築家の西田司氏、東京工業大学の真野洋介研究室(社会工学)、広告代理店の飯田昭雄氏(ワイデン・アンド・ケネディ トウキョウ)などに広がった。地元の商店主やまちづくり団体も加わり、重層的なつながりの中で「石巻 2.0」となる。

■小さなことの積み重ねで、まちを変えていく
阿部氏は「プラットフォームがあると、いろいろな人が集まってくる」ことを実感したという。
自身は、食を核とした2.0活動を目指す。半島部の漁師と協力したマルシェや、高齢者の食事ケア、キッチンカーでの復興キャラバンなど可能性はいっぱいあるという。

芦沢氏は「石巻工房」を既に立ち上げ、多数のアーティストや地元の人と協働して、家具やファブリックなどの商品化を目指す。再開店舗情報入りの「石巻まちあるきマップ」を作成した真野研究室は、今後も現場のヒアリングを続ける意向。

それぞれの小さな行動が積み重なり、新しい枠組みや関係性が生まれつつある。「若者が楽しめるまち」(阿部氏)の実現に向けた2.0活動に注目だ。(オルタナ編集部=有岡三恵)8月5日

2011年8月5日(金)13:45

alternaショップ
ページの先頭に戻る↑