青函連絡船「羊蹄丸」展示、見納めに3000人

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船の科学館で9月末まで展示中の「羊蹄丸」(船の科学館提供)

お台場の「船の科学館」で本館と青函連絡船「羊蹄丸」の展示が9月末で終了するのに伴い、最後の企画展となる「ごきげんよう!船の科学館」が4日始まった。初日から4000人近くが訪れ、羊蹄丸には約3000人が詰め掛ける人気ぶりだった。

科学館によると、一年前の来場者は1000人程度、うち羊蹄丸を訪れた人は350人ほどだったという。展示は30日まで行われ、大人200円(18歳以下100円)の特別料金で入館できる。

船の科学館はリニューアル準備のため10月から展示規模を縮小する。大型客船を模した本館と2隻の係留船からなる展示のうち、本館と青函連絡船「羊蹄丸」を閉じることにした。10月以降は、南極観測船「宗谷」と屋外にある潜水艦などの展示(いずれも無料)、加えて屋外プールでの親子対象のカヌー教室などを継続していく。

リニューアル内容に関して同館の学芸部企画広報課の梶谷東輝(かじたに・はるき)氏は、「本館の展示休止後に検討を進める。37年経った本館建物は配管などが老朽化しており、取り壊す可能性が大きい」という。

一方、羊蹄丸は維持コストの負担が難しいことから、法人へ無料譲渡することが決まっている。譲渡先は10月まで未定。科学館では、「青函トンネル完成の1988年まで活躍した最後の青函連絡船なので、少しでも存続の可能性を高めたかった」と話している。

羊蹄丸と同時に譲渡される船内展示物の「青函ワールド」は、緻密な時代考証を重ねて1955年(昭和30年)の青森駅界隈を再現したもの。

全国の博物館を巡り歩き、ウェブサイト「博物月報」を主宰している盛田真史氏は、この展示について「1996年に公開されたとき、東北出身の年配者が涙したと聞いた。店頭の品ぞろえや物価から人形のセリフまで、細部に配慮して当時をよみがえらせた傑作だ」と評価する。

羊蹄丸が船の科学館での役目を終える9月30日の閉館時間には、来館者と共に同船の新しい門出を祝うセレモニーが予定されている。(オルタナ編集部=瀬戸内千代)

2011年9月5日(月)11:27

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