時間経ちセシウム上昇箇所も 福島市内

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神戸大学大学院の山内知也教授が、NPOらの依頼を受けて福島市内で実施した土壌の放射線量調査で、通学路に近い場所などから放射性セシウムが土壌1キログラム当たり最大30万ベクレル以上という高い濃度で検出されたことが5日、明らかとなった。付近から水が流れ込む場所では、放射性セシウム濃度が6月より上昇している地点もあった。山内教授は「子供と妊婦は避難させ、現実的な除染を行うべき」と訴えている。

■民家の庭先も「移住の義務ゾーン」

調査は9月14日、福島市内の渡利地区で5か所から土壌サンプルを採取して実施。検出された放射性セシウムはいずれも土壌1キログラム当たり、民家の庭先で3万8千ベクレル、八幡神社境内で15万7千ベクレル、通学路に近い水路で30万7千ベクレルなどの高い濃度を示した。

福島市渡利地区の土壌の放射性セシウム濃度(FoE Japan資料から引用)

この汚染がどれほどのレベルか、チェルノブイリ原発事故での避難基準と比べるとわかりやすい。調査を依頼したFoE Japan、福島老朽原発を考える会の試算では、5カ所中最も濃度の低かった民家の庭先でも2番目に厳しい「移住の義務ゾーン」で、他の地点は全て最も厳しい「特別規制ゾーン」に相当する。

■NPO「面的避難が必要」

渡利地区では福島市が8月、除染モデル事業として小学校の通学路で、側溝の清掃などの除染作業を行っている。しかし山内教授の調査では、放射線量は平均で約32%低下したに過ぎず、十分な成果を上げているとは言い難い。

また、常に水が流れ込む側溝などの場所では、一度清掃しても再び土や泥がたまり、放射線量が高まる恐れがある。山内教授は「除染作業とは『土の除去』や『水で洗い流す』ではない。空間線量を事故前のレベルに戻して、初めて除染と呼べる」と指摘した。

また、道路のアスファルト舗装や屋根のセメント瓦に付着した放射性セシウムは高圧洗浄では除去できないため、再舗装や屋根のふき替えなどの作業が必要だとも語った。

FoE Japanの満田夏花氏は今回の調査結果を踏まえて「国は特定避難勧奨地点の検討を進めているが、現在の住居単位ではなく、地域単位での面的な避難指定が必要だ」と話した。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年10月6日

2011年10月6日(木)19:10

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