「環境難民」はジブンごと!? 第3回・「ツバルは沈まない」はホント?

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――どんな解決策があるのか

理想論かも知れないが、「解決策」というのは正論に近いほど本当の意味での解決をもたらすと考えている。砂の供給不足が問題であれば、まず有孔虫の成長を阻害する人為的原因の特定を急ぐことが先決で、その結果に基づいて、首都の島の海洋汚染をどう改善していくかを考えるのが正論だろう。

「フナファーラ エコアイランド」の完成予想図 (C)ツバル・オーバービュー

当NPOでは根本的な解決策を求めて、ツバル国内に海抜の高い陸地を確保するためのプロジェクトを進めている。首都のあるフナフチ環礁南端には、環礁内で増産された砂が海流によって堆積してできた浅瀬が広く分布する、フナファーラという場所がある。

もちろん環境アセスメントを行った上でだが、フナファーラエリアでの砂の堆積傾向を強める方向で、海底の砂をサンドポンプで陸上に汲み上げ、海抜10メートル程度の島を生み出す事を考えている。サンドポンプは中東のドバイでリゾート用の人工島の造成に使われた実績があり、かさ上げ工事自体は8000万~1億円の予算で実現できると試算している。

ツバルの国土面積は26平方キロだが、この事業では国土面積の半分の陸地をつくることを目標にしている。この規模なら首都の移転も可能だし、全人口が避難できるキャパシティも確保できる。

総額5億円の有孔虫増産の研究事業にすでに投じられた税金は約2億円。CO2の排出権取引に数兆円が投じられていることを考えれば、リーズナブルで、検討に値する事業だと考えている。

私が初めて十数年前にツバルを訪れて海面上昇の危機を知った時、「今までの自分らの生活が気候変動をもたらしている」と強く思い知らされた。しかも皮肉なことに、その被害に直面しているツバルの人々の生き方の中に、気候変動を招かない見本があることを目の当たりにした。それを広めたいと思ったのが、ツバル・オーバービューでの活動の原点だ。

南太平洋の自然の恵みを得て暮らすツバルの人々は、あの地でないと生活を営むことが出来ず、ツバルの環境はまさに他に替えることができない。移住は理想的な解決とはならないのだ。

理想的な解決策はやはり地球温暖化を止めることに他ならず、そのための啓蒙活動として講演会や写真展、エコツアーなどを開催しながら、現地では適応策としてのマングローブの植林に力を入れている。予算が確保できればサンドポンプを使った陸地創出事業も進めていきたい。

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2012年1月6日(金)11:21

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