■ 動物実験をした化粧品の規制を段階的に実現
化粧品における動物実験の反対運動は、1980年代から欧米で活発に行われていた。欧州では反対運動を受けて1993年6月、欧州議会が「動物実験が行われた原料を配合する化粧品のEU域内での販売・流通を1998年1月1日以降禁止する」という化粧品指令第6次改正を採用した。
しかし、EU内外の大手メーカーを中心にした化粧品業界がこれに反発し、1998年の実施は延期になった。実施の延期は化粧品業界の圧力から「2000年まで」、「2002年まで」、と引き伸ばしを繰り返した。
その後も反対運動は続き、2003年2月には、 EU域内で動物実験をした化粧品の実験と販売禁止が決まった。
2004年9月からは化粧品の完成品を対象に動物実験が禁止された。2009年3月からは、化粧品の原料及び配合原料を対象に動物実験の禁止、動物実験が行われた化粧品完成品や原料、配合原料の販売禁止が実施された。
今年3月11日から実施する動物実験をした化粧品の全面的販売禁止では、実施日以降、新たにEU外で動物実験を実施した成分を含んだ化粧品も対象になり、輸入・市場での売買が違法になる。
HSIは、EU における歴史的な販売禁止を機に、ウェブサイトで「ビー・クルーエルティ・フリー」への署名を呼びかけている。(オルタナ編集部=副島久仁彦)