愛知県の県立高校では、生徒の弁当持参が基本だ。大半の家庭では母親が弁当を作っているが、女性の社会進出が進んだことで、毎朝弁当を作ることが難しい母親も増えている。
そこで、NPO法人MotherKitchen(愛知県愛西市/石山大雅代表)は、「地域の農家が育てた食材を、地域の障がい者や母親たちが調理して地域の高校生たちが食べる」という弁当販売事業「高校ランチ革命」を始めた。配達は1個から受け付けている。
同NPOを立ち上げ、現在は副代表を務める清水元樹さん(29)は言う。
「私の母はフルタイムで働き、忙しい日や体調が悪い日には、どうしてもお弁当が作れないこともあった。そんなときは仕方なく、おにぎりや菓子パンで空腹を紛らわしていた。高校を卒業して10年以上が経っても、その体制が変わっていないことを知り、この状況を変えたいと思い、MotherKitchenを設立した」
同NPOのある愛西市は農業地域だ。そこで農家と契約し、主に規格外の野菜を譲ってもらう。さらに、市の近辺には障がい者が活躍できる場が不足していたため、県庁から指定障害福祉サービス事業所の認可を受け、就労継続支援A型事業所として障がいを持つスタッフに弁当を作ってもらうことにした。
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