■ 「稼ぐための農業」への転換を
安倍首相は、アフリカが直面し続けてきた食料問題にも言及。「食べるための農業」(自給自足)から「稼ぐための農業」への変換を訴えた。
基調講演の中で安倍首相が「立ってください」と紹介したのがJICA国際協力専門員の相川次郎氏だ。相川氏は、青年海外協力隊員としてタンザニアで農業指導に携わって以来、一貫してアフリカ農業にかかわってきた。JICA専門家として赴任したケニアでは、2500人の農民の所得を倍増させた実績を持つ。
相川氏がとった戦略は、農業に携わるアフリカの女性たち自身が、消費市場は何を求めているのか調査し、売れる作物を選び、実際に栽培するまでのプロセスを研修として提供するというやり方。農民自らに考えさせるやり方は「SHEP」(シェップ)アプローチと呼ばれ、日本は今後、10カ国で推進していく。
安倍首相は最後に、日本がアフリカとの真のパートナーシップを目指してきた取り組みを強調。「アフリカでは現在734人の青年海外協力隊員が活動している。このうち399人が女性。日本の外交の『王冠の宝石』だ」とPRした。(開発メディアganas編集長=長光大慈)