ドイツ、脱原発の次は「核ゴミ貯蔵場」探し

6月8日、ベルギー・ドイツ・オランダの国境地点で行われた反原発デモの様子

ドイツの政界は、福島第一原発事故をきっかけに脱原発一色になった。9月の国政選挙を控えたいま、環境政策議論の中心は、「高レベル放射性廃棄物の最終貯蔵立地選択法」の制定だ。連邦と州の政府は4月、「2031年までに立地を決定、24人の専門家委員会が2015年までに最終貯蔵施設の設置基準を提言」などに合意、法案を発表した。

連邦環境大臣は、この法案に市民の声を反映させる目的で、5月31日から3日間フォーラムを開催した。だが、主要な環境団体の多くが「国会審議直前のアリバイ作りで、重要な変更は望めない」などと参加を拒否。与党内でも不協和音が生じており、「選挙前の法律制定は無理」とみなす州の首相もいる。

政府の動きを受けて、独メディアでも「核のゴミ」関連報道が盛り上がっている。

4月にはドイツの公共放送や独仏合同国営放送が、ドーバー海峡に沈んでいる低レベル放射性廃棄物入りドラム缶を潜水艦から撮影した映像を流した。1950年代から1963年までにイギリスとベルギーが投棄した数は、約2万8500個にのぼる。

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川崎 陽子・ドイツ

欧州から主にドイツ語圏の情報、基本的人権を脅かす放射線被ばく問題を発信。専門分野の通訳・翻訳にも従事。
横浜国立大学卒業後、日本企業研究職、米国企業技術職を経てドイツに留学。アーヘン工科大学で応用工学修士(環境学・労働安全)修了。 ブログ:http://ecoyoko-archive.seesaa.net/https://ecoyoko.fc2.net/ 執筆記事一覧

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