「安倍内閣は右傾化する余裕などない」――麻生ナチス発言で田原総一朗氏緊急インタビュー

―― 一方で国防軍に名前を変えるとの議論もありますが。

田原:名前よりも中身をどう変えるかが重要だ。専守防衛をやめるなら大反対だ。専守防衛である限りは、名前が変わろうがたいした問題ではない。

麻生副総理はこう言いたいのだと思う。「集団的自衛権で大騒ぎする。国防軍で大騒ぎする。いちいちこんなことで騒ぐなよ」と。この点については、麻生副総理の発言はまったく理解できない。

論議は大いにすべきだ。静かに憲法改正をすることはない。論議はやかましいくらい大いにするべきだろう。麻生副総理は議論するなと言っているみたいだ。

ドイツではワイマール憲法によって、ヒットラーのナチスが第一党に選挙で選ばれた。そしてワイマール憲法を潰した。論議もしないで潰した。この手口を見習えというのは悪い。これは大間違いだ。

ドイツでの一番の問題は、論議ができなかった点にある。もし、麻生副総理が論議することにも反対なら、冗談ではない。「ヒットラーの手口に学べ」というなら、アメリカ、ヨーロッパでは議員辞職は免れない。

この失言は自民党にとっても、大ダメージだ。単なる失言ではない。麻生副総理はサービス精神旺盛で失言が多い人。今までも、過剰すぎて、きわどいことを言いたがる癖が出ていた。しかし、今回の失言はその枠を超えた。

――麻生副総理は、発言は取り消しましたが、謝罪も辞任もしないとのことです。

田原:麻生副総理というよりも、自民党がどう対応するのかが重要。安倍総理も菅官房長官も全面否定しているが、自民党の対応が肝になる。麻生副総理は、サービス過剰の一貫だと思っているだろうが、海外からも批判は来ている。

自民党がどう対応するかが問われている。対応できなくては国会が大変なことになる。野党は総攻撃する。今回、野党は自民党を攻撃する方法がなくて惨敗したのだから、野党はチャンスだと思っているだろう。

■次世代のためを思うなら景気を良くすべし

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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