「選んで食べれば魚は残せる」――MSC(海洋管理協議会)CEOルパート・ハウズ氏インタビュー

ルパート・ハウズCEO

マグロやウナギなど主に日本で消費される魚種が、世界の海から消えつつある。日本の魚食は今、良いバランスを失っているようだ。そこで、「エコラベルを目印に魚を選べば持続可能な漁業に貢献できる」という明快な仕組みを提供している海洋管理協議会のCEOルパート・ハウズ氏に話を聞いた。(オルタナ編集委員=瀬戸内千代)

■ カナダ、乱獲で4万人が失業

――水産資源は世界的に減少傾向にあるそうですね。
世界人口70億人のうち魚食人口は10億人といわれ、さらに増え続けています。しかし既に世界の天然魚は約半分の種が減少し、乱獲で壊滅の危機にある種も全体の3割を占めます。今のままでは子や孫の世代まで魚を食べ続けられるか分かりません。

――MSCは、持続可能な漁業を認証するために発足したのですね。
1990年代初頭にカナダで乱獲によってマダラが激減し4万人が失業しました。これをきっかけに、タラの冷凍加工会社を抱えるユニリーバがWWFと共に1997年に立ち上げ、1999年に非営利団体として独立したのが海洋管理協議会(MSC)です。

経済界や科学者、NGOなどと協力しながら、漁業と魚食を続けるための国際的な認証基準を設定し、認証品にエコラベルを付与して、市場には「MSC認証品を選んでください」と広く呼びかけています。約15年の活動の結果、約2万種類の認証品が市場に出ました。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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