CSRの観点から見た、阪急阪神ホテルズ事件の教訓(上)--社長は「演説」よりも「対話」が大事

阪急阪神ホテルズの「食材偽装」問題は、出崎弘社長がきょう、11月1日付けで辞任する事態に至った。

同社がホームページ上で47品目の食材がメニュー表示と違っていたことを報告したのが22日。その時点では、10日後に社長が辞任するとは、社内でだれも想像していなかったのではないか。

最大のポイントは、記者会見での答え方を間違ったことだ。「一部食材で調理担当者がメニュー表記と違うことに気付いていた」というそれまでの見解を「そのような報告はない」と突然撤回し、会見は大荒れになった。

ホテル業界全体がその余波を受け、別のあるホテルは「メニューにあったフレッシュミルクは、紙パックの市販品でした」とお詫びした。

あるラジオ番組のパーソナリティは、「フレッシュミルクといっても、レストランの厨房に牛がいるとは思ってませんよ」と笑った。

このような「珍騒動」は毎年のように起こる。その最大の原因は、企業の経営陣、特に社長の感覚と、社会の感覚のズレにあるようだ。

例外も多いだろうが、特に企業規模が大きいほど、社長と社会の感覚は乖離している感がある。「ヒト・モノ・カネ」のマネージメントには強いが、それと同じくらい大事な「社会」感覚が意外にない。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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