これはベネッセの生活事業領域から生まれた活動で、「被災地や途上国の企業・NPO・NGOをはじめとする協働先と生み出したオリジナル商品や寄付金付き商品を通販カタログで販売し、身近な『ショッピング』という行動を通して継続的な支援へとつなげるものです」(たまひよ事業部通販ユニット山下晋司氏)。活動の様子はフェイスブックやブログを通じて随時発信されている。
図書館への書籍寄贈、公園への遊具設置など、よりスマイルバスケットらしい寄付先を探していた時に出会ったのが、宮城県東松島市の「のびる幼稚園」だった。津波で施設が流されたが、私立のため行政援助がなく、企業の倉庫を間借りして再開。しかしその企業が倒産、引き渡し期限が迫っていたことを知り、すぐさま援助を申し出たという。
スマイルバスケット利用者が0〜6歳児を持つ母親ということもあり、「支援先の顔が見えるため、ママさんたちの共感も得やすいと判断した」(山下氏)。
「園児たちのために新しい園舎を造ろう」と奔走する先生たち。スマイルバスケットが12月からスタートする「東松島市のびる幼稚園」応援キャンペーンは、買い上げ金額の5%で机や靴箱や食器など新しい園舎での幼稚園生活に不可欠なアイテムを用意し、2014年2月下旬に届ける仕組みだ。活動報告フェイスブックの「いいね」数に応じて、ベネッセコーポレーションからも寄付される予定だ。
このキャンペーンのために新商品も用意された。会津木綿を使ったエプロンとランチョンマット、気仙沼の帆布デザイン・マルチケース、カンボジア最高級の手織りシルクスカーフなど、どれもが伝統技術を生かしながらも若いデザイナーの感性を吹き込んだ、女性に人気のアイテムだ。会津木綿グッズは障がい者の就労支援施設で仕上げられている。
現地の商品を気に入って購入することで、支援を継続できる。この活動が大きく広がれば被災地の雇用も増え、途上国の就学率やQOL向上を推し進めることにつながる。希望者へは無料の通販カタログ送付サービスも実施。
通信販売という企業スキームを上手く活用しているスマイルバスケットの、今後の取り組みに期待したい。