
住友ゴム工業は、「人々の命を地震から守りたい」という思いから、地震による揺れ幅を最大70%低減する住宅用制震ダンパー「MIRAIE(ミライエ)」を開発。「MIRAIE」を一般家庭に販売している伊田工務店(兵庫県神戸市)の伊田昌弘社長に、「MIRAIE」の強みを聞いた。(オルタナS関西支局=赤司研介)
伊田社長は、家を建てる際に「安全」を一つのキーワードとして考える施主には必ず「MIRAIE」を勧めていると言う。その一番の理由は、低コストで安全性を向上させられることだ。
「地震から命を守るための技術にはずっと着目していました。しかし、これまでは免震技術を建物に取り入れようと思ったら、大体200〜300万円かかってしまっていた。どうしても金銭的に余裕のあるお金持ちのものになってしまい、大切なことであるのに敬遠されがちでした。
でも、MIRAIEは比較的安い金額で提供ができる。お客さんも、それくらいの金額であればつけたいという人が大半です」
伊田社長が積極的に制震の技術を推奨するのには、阪神淡路大震災での体験が大きく影響している。震災当日、伊田社長が自宅で就寝中に大きな揺れを感じて目を覚ますと、壁際に設置していたテレビが飛んできたのだそうだ。
「一瞬目を覚ますのが遅かったら死んでいたかもしれない」と当時を振り返る。