具体的には、内閣府の原子力委員会を「脱原子力・エネルギー転換戦略本部」に改め、その下に「脱原子力庁」を設けて事故処理や賠償などを進めることなどを提案。また、経産省と文科省は原子力に関する権限から切り離すとした。

講演する大島堅一・立命館大教授=8日、都内で

しかし原発などの原子力関連資産は、廃炉すれば巨額の損失として計上されるため、電力会社が簡単には廃炉に踏み切れない事情がある。

そこで大島氏は「現時点での資産額は4.2兆円。廃止すれば電力会社が債務超過となる可能性がある。国が半値で買い取り国有化する方法がある」と提案。その際、電力会社が国に積み立てている廃炉引当金を使えば、国民は8千億円の負担で済むとした。

そして、こうした原発ゼロ社会の実現の条件として「国民的議論を起こし、国民が議員や政府に働きかけることが大事だ」と強調。自然エネルギーの導入拡大についても大島氏は「現在の導入率は10%程度にとどまっているが、制度上の問題によるところが大きい。制度運用次第で導入率はすぐにでも3割程度まで伸びる」と述べた。

大綱は全5章で237ページの大著。6月には宝島社からダイジェスト版が刊行される。

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