記事のポイント
- 米国初の「グリーン銘柄」に特化した株式市場が誕生する見通しになった
- この「グリーンインパクト取引所(GIX)」は、早ければ2025年には運営を始める
- 他の株式市場に上場する企業も、GIXに重複上場でき、注目が集まりそうだ
米国初の、グリーン銘柄に特化した証券取引所「グリーンインパクト取引所」が誕生する見通しになった。SEC(米証券取引委員会)の承認を経た後、2025年上旬にも運営を開始する。サステナビリティの取り組みに注力する企業は、他の株式市場に上場していても、GIXに重複上場できるという。(オルタナ副編集長・北村佳代子)

グリーンインパクト取引所(GIX)は7月19日、SECに取引所の開設申請を提出した。世界で50兆ドル超といわれるグリーン経済に特化した、新たな株式市場の承認を目指す。
GIXは、NYSE(ニューヨーク証券取引所)の元幹部らが2022年に設立した企業だ。
新たな株式市場は、独自のグリーンガバナンス基準への準拠を上場基準とする。サステナビリティ目標を設定し、その実行・測定・達成に拘束力のあるコミットメントを誓約した企業が上場できる。サステナビリティ目標に対する進捗状況についても、投資家に対して、透明性の高い説明責任を求めていく。
「この上場申請は、サステナブルな投資家と資本市場にとって大きな前進だ」と、GIXのダン・ラボヴィッツ共同設立者兼CEOは意気込む。同氏は元NYSEの規制政策責任者だ。
「GIXは、サステナビリティに関心の高い投資家と、サステナビリティに真剣に取り組む企業を結びつける」(ラボヴィッツCEO)。 GIXは総収益の一部を還元する「リターン・トゥ・グリーンプログラム」を通じて、持続可能な取り組みの最前線にいる組織の支援も計画する。