記事のポイント
- 世界のデータセンターの電力・水消費量が大幅に増えている
- 通常のAIより33倍も消費電力が多いとされる「生成AI」の影響がある
- 米国のデータセンター集積地では、5年間で水消費量が67%増えたという
世界のデータセンターでは、電力だけでなく水消費量も大幅に拡大している。背景にあるのは、生成AIの普及だ。水は、主としてサーバーの冷却に使用される。英紙は、世界最大のデータセンター集積地では2023年までの5年間で、水使用量が67%増え、地域の水需給に影響したと報じた。(オルタナ副編集長=北村佳代子)
生成AIの普及を背景に、世界のデータセンター需要は拡大し続けている。
英フィナンシャル・タイムズ紙が引用したシナジー・リサーチ社の調査データによると、世界最大のデータセンターの集積地は、米バージニア州の北部地域で、全体の約15%を占める。それに続くのが中国・北京(7%弱)だ。
■データセンターのサステナビリティに環境団体が疑問
米バージニア州には、米アマゾン、グーグル、マイクロソフトなどのビッグテック(GAFAM)が使用するデータセンター施設が集積する。英紙は、「データセンター・アレイ」と呼ばれる同州北部地域を管轄する複数の当局に、水使用量に関する情報開示を請求した。
それによると、ある当該地域での水使用量は、2019年から5年で67%増加し、2023年の水使用量は、70億リットル(18.5億ガロン)以上に上った。
「今後数年間でデータセンターが爆発的に増加する見通しにあるが、サステナブルなのか疑問が残る」。英紙は、同州を拠点とするNPO・ピードモント環境カウンシルで土地利用を担当するジュリー・ボルハウス・ディレクターの言葉を紹介した。
■記録的な干ばつ地域でデータセンターの増設も
■GAFAM各社の水の使用に対するスタンスは