齊藤 紀子(企業と社会フォーラム(JFBS)事務局長)
フンボルト大学(独ベルリン)で2012年10月4~6日、「CSRとその未来」を統一テーマとした第5回国際CSRカンファレンスが開催されました。フンボルト大学のインスティチュート・オブ・マネジメントが1 年おきに開催する本カンファレンスは、満10年目を迎え、回を追うごとに参加国数も参加者数も増加しています。
欧州だけでなく世界中から、大学研究者、政策担当者、企業人、コンサルティング会社関係者、NGO 関係者など約600人が参加。この領域の中心的な学会として、トップクラスの人々が集まり活発な議論が行われる場になっています。本学会では、複数の学問分野にわたる学際的研究が行われています。グローバルな視点で持続可能性とCSR を考え、解決の迫られている課題にアプローチしています。
数少ない日本人参加者である本学会会長の谷本教授(早稲田大学)へのインタビューに基づき、本カンファレンスの概要をご紹介致します。
会期中は、CSR評価の仕方や公共政策、統合レポートのあり方から、インド・中国など新興国におけるCSRの議論動向に至るまで、幅広いテーマが扱われました。8つの企画セッションと、22つのパラレルセッションが8 時半から行われ、研究報告プロポーザルを募る「コール・フォー・ペーパー」には世界各国から応募がありました。そして、審査を通過した報告者より下記のようなテーマでの報告が行われました。
・ISO26000:実行と効果
・責任あるサプライチェーン・マネジメント
・グローバルステークホルダーのマネジメント
・ソーシャル・アントレプレナーシップとソーシャル・イノベーション
・持続可能性のためのイノベーション:リオ+20以降の課題と機会
・CSR のための新しい制度構築――など。