オルタナ78号「農業トピックス」50
ブラジル連邦裁判所は7月、違法伐採によってアマゾンの熱帯雨林を破壊したとして、牧畜業者のクルーガー社に5000万ドル(約75億円)の支払いを命じた。同社の資産は凍結され、支払った補償金は政府の気候変動対策に充てる。
裁判は司法長官事務所が起こしたもので、ブラジルの気候変動犯罪に対する訴訟としては最大規模となった。
ブラジルでは2023年1月のルーラ政権発足を機に、森林保全に向けた取り組みが加速している。同大統領は昨年、国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)で、2030年までにアマゾンの森林破壊を終わらせると宣言した。
ブラジルの司法長官は、今回の裁判を「生態系破壊によって引き起こされた気候変動の被害を修復する第一歩」に位置付ける。国家検察庁は「気候正義の問題」として、人権問題と関連づけた。