国連PRME(責任経営教育原則)を巡る動向【企業と社会の関係】

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齊藤 紀子(企業と社会フォーラム(JFBS)事務局長)

2012年12月8~9日、慶應義塾大学(東京・港)で、「アジアにおける責任経営教育のいまとこれから」をテーマに第3回国連PRME(責任経営教育原則)アジア・フォーラム(後援:企業と社会フォーラムほか)が開催されました。

2010年の第1回(韓国)、2011年の第2回(中国)に続き開催されたアジア・フォーラムは、主にアジア地域の国連PRME 加盟校・団体が一同に会し、情報交換および実践の成果報告を行う場となっています。

グローバルレベルでの動きに照らしてみると、日本におけるPRME活動はいまだ黎明期にあります。そのため、本フォーラムはPRME そのものについて、また国連グローバル・コンパクトとの関係性について、関心を持つ大学関係者を主な対象として開催されました。

当日は日本、韓国、インドネシア、マレーシア、フィリピンなどから約100人が参画。先進事例の報告などが行われたほか、アジアにおいてPRME 活動をさらに広げていくことなどを盛り込んだ「東京宣言」がとりまとめられました。

世界中の主要ビジネススクールも参画

本稿では、国連PRME の背景および動向についてご紹介致します。国連PRME は、21 世紀の企業と社会が直面する複雑な課題をにらみ、次世代のビジネスリーダーを育成することを目的とする、国連の経営教育原則です。

現在の学界では、「企業の責任」や「持続可能性」に関する議論はまだ緒に就いたばかりです。そのため、経営教育の本流に埋め込まれるには至っていません。そこで、ビジネススクールや大学などにおけるカリキュラム、リサーチ、教育手法などを改善していくことをミッションとして、国連PRMEは国連事務総長の潘基文氏をはじめ、学界、産業界、市民社会、政府セクターから1000人以上の参画のもと2007年に発足しました。

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齊藤 紀子(企業と社会フォーラム事務局)

原子力分野の国際基準等策定機関、外資系教育機関などを経て、ソーシャル・ビジネスやCSR 活動の支援・普及啓発業務に従事したのち、現職。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了、千葉商科大学人間社会学部准教授。

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