[CSR]ヘンケル 日本の美容技術をカンボジアへ、孤児の自立を後押し

6年目を迎える2014年度は、美容師4人がトレーナーとして参加し、カンボジアの31人が受講した。「夢はさみ」では、約10日間のトレーニングの中で、美容に関する基礎的な知識とカットやパーマなどの技術を教える。

これまでに23人の美容師が参加、カンボジアの178人が受講した。

「最初はぎこちなかったり、投げやりだったりする子もいる。少しずつ技術を習得して毎日成長していく姿を見るのは楽しい」

昨年初めて現地でプログラムに参加した鈴木さんは、嬉しそうに話す。

カンボジアは1953年にフランスから独立したものの、1991年まで内戦が続き、社会基盤が崩壊した。ストリートチルドレンや貧困家庭に生まれた環境はなかなか改善できない。

「夢はさみ」の協力団体である認定NPO法人国境なき子どもたち(KnK)(東京・新宿)は2000年9月、10代後半の青少年を受け入れる自立支援施設「若者の家」をバッタンバン市に開設した。「夢はさみ」は、この「若者の家」で行われている。

カンボジアの美容室は、大きく3つに分けられる。店舗型、簡易な小屋型、イスと鏡だけの路上型の3つだ。

カンボジアには美容師という資格はなく、技術を習得する場が少ないので、美容師志望者の多くは、店舗で修業をする。場合によっては、オーナーに毎月100~150ドル支払う場合もある。一般的なカット代は1~3ドルだ。

鈴木さんは、「時間もお金もかかるため、『手に職』を付けるまでなかなか進まない。せっかく技術を身に付けても、より報酬の高い国外に出てしまうことも多く、カンボジアの発展につながりにくい」と説明する。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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