原宿でエシカルの祭典、識者と学生による「白熱討論会」も

記事のポイント


  1. 原宿駅前の「WITH HARAJUKU」で11月22〜24日、エシカルの祭典を開く
  2. エシカルマルシェにトークセッション、音楽イベントもある
  3. 識者と大学生が社会課題について台本なしで討論するセッションも

IT企業Freewill(フリーウィル、東京・港)は11月22~24日、原宿駅前の複合施設「WITH HARAJUKU(ウィズハラジュク)」でエシカルの祭典「MoFF(モフ) 2024」を開く。トークイベントには、伝統工芸の職人や環境問題に取り組む経営者らが登壇し、「資源循環」などをテーマに話し合う。最終日には識者と大学生が日本や世界の社会課題について台本なしで討論するセッションを行う。(オルタナ副編集長=池田 真隆)

モフは、フリーウィル社が2019年から開くエシカルの祭典だ。トークイベントに加えて、80超のブランドが出店するエシカルマルシェやワークショップ、音楽イベントなど多彩なプログラムを用意した。

エシカルマルシェの特徴は、商品の買い方にも社会貢献性を取り入れた点にある。来場者はフリーウィル社が開発した決済アプリ「サスPay」で決済を行う。同アプリで決済すると、森林・海洋・文化伝統保全団体などへの寄付になる。

モフを主催するフリーウィルの麻場俊行CEOは、「環境や社会問題を意識しなくても、普段と変わらない『買い物』が社会貢献につながる仕組みを作った。こうしたソリューションを活用して、エシカル消費を広げていきたい」と話す。

トークイベントでは、「日本の精神性と伝統工芸」「東日本大震災と能登半島地震」などをテーマに、伝統工芸の職人や社会起業家、環境問題の専門家らがパネリストとして登壇する。

11月23日には、「自分らしさ」をテーマに、世界的メイクアップアーティストの西村宏堂氏が登壇する。LGBTQ活動家でもある西村氏は、Netflix(ネットフリックス)番組「Queer Eye(クイアアイ)」にも出演した。

トークセッションに登壇するゲスト、識者、歌手、僧侶と多彩だ

11月24日には、「Z世代、α(アルファ)世代が考えるエシカル」がテーマのトークセッションを行う。一般社団法人エシカル協会の末吉里花・代表理事、フォロワー12万人を抱える人気インスタアカウント「サステラ」運営者の鈴木龍太郎さん、若者向けのコスメブランドを立ち上げた大学生起業家である児玉英里さんらが登壇する。10~20代が考える「エシカル」を話し合う。

一青窈さんら人気アーティストによる音楽ライブも

音楽イベントには、一青窈さんや湘南乃風で「若旦那」としても活躍する、新羅慎二さんら人気アーティストが出演する。一青窈さんは、音楽療法に興味を持ち、病院や児童養護施設などに訪問し歌唱する活動を行う。新羅慎二さんは、被災地支援や環境保全などに力を入れる。

人気アーティストがイベントに花を添える

最終日(24日)のフィナーレは、10人以上が登壇し、社会課題を話し合う討論会を開く。闇バイトやトー横問題、さらには気候変動など、日本や世界が抱える課題を解決するために何ができるのか、「大人」と「学生」にパネリストが分かれて台本なしで意見をぶつけ合う。

「大人」側のパネリストとして登壇するのは、歌手の加藤登紀子さん、経産省で社会起業家支援を担当する榎本航征氏、立教大学社会デザイン研究科の河口眞理子・特任教授らだ。

「学生」側パネリストの、多田良木乃実さん(青山学院大学総合文化政策学部フェアトレードラボ 2024年度代表)、島田琉太郎さん(学生団体おりがみ/学生団体グリーンベース代表)らの意見に大人たちはどう答えるのか、注目だ。

モフは、会場のウィズハラジュクの地下1階から3階フロアを貸切って行う。3日間で3万人の来場を狙う。

識者と学生が日本と世界の社会課題について討論する

「JEIエシカルサミット2024」を同日開催、地方発のエシカル語る

初日の22日には、同会場内で一般社団法人日本エシカル推進協議会(横浜市)が「JEIエシカルサミット2024」を開く。エシカルサミットは同協議会が、2年ごとに開いてきた。専門家によるパネルディスカッションを通して、エシカルの潮流を学ぶイベントだ。

今年のサミットでは、「地方×IT」をテーマに掲げた。デジタルテクノロジーを活用し、地方発のエシカルな動きを広げたキーパーソンをゲストに招く。

基調講演には、認定NPO法人グリーンバレー前理事長の大南信也氏が登壇する。大南氏は、徳島県の中央部に位置する神山町の活性化に一役買ったキーパーソンだ。

人口約4700人の神山町で、求職者支援やサテライトオフィスの誘致など、移住者の支援活動を手掛けてきた。

パネルディスカッションは3つ行う。「進化する一次産業が未来を創る」「よりエシカルな伝統工芸へ」に加えて、サミット全体のテーマである「地方×ITでエシカルを加速する」というテーマでパネリストが語り合う。

「地方×ITでエシカルを加速する」のパネルディスカッションに登壇するのは、神山まるごと高専創業メンバー・デザイン教育担当理事の伊藤直樹氏、ジモティーの野村康二郎・ジモスポ事業開発部部長、Digital Platformer(ディジタルプラットフォーマー)の松田一敬CEOの3人。コメンテーターとしてフリーウィルの麻場CEOが加わり、日本エシカル推進協議会の足立直樹・副会長がモデレーターを務める。

日本エシカル推進協議会の生駒芳子会長は、「各地で『エシカルの波』を起こしている本物志向の方をゲストにお招きした。各地のキーパーソンを結集し、地方発のエシカルを発信したい」と話した。

MoFF 2024 – Sustainable eco Society –
NEXT資本主義を五感で感じよう
次の100年をみんなで考え、体感し、創造する日
同時開催JEI エシカルサミット2024
開催日時:
2024年11月22日(金)11:00 ~ 20:00
2024年11月23日(土)10:00 ~ 20:00
2024年11月24日(日)10:00 ~ 20:00

会場:WITH HARAJUKU
3F HALL / LIFORK / TERRACE
2F PARK
1F ENTRANCE
B1 STREET / SPACE

公式サイトはこちら

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナS編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナS編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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キーワード: #エシカル

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