記事のポイント
- CCC系が代官山の蔦屋書店でエシカルフードのセレクトショップを開催
- 「エシカルフード基準」を満たした39商品と関連書籍を販売する
- 来年冬までにTカード会員向けにスコアを実装へ、市場拡大を狙う
CCC系のCCCMKホールディングス(東京・渋谷)が「世界食糧デー」の10月16日より代官山の蔦屋書店でエシカルフードのセレクトショップを開始した。「エシカルフード基準」を満たした、チョコレートやコーヒー、エシカル関連書籍を販売する。開催期間は11月15日までとなる。(オルタナ編集部・萩原 哲郎)

セレクトショップ「HELLO,エシカル!~お買い物から地球を考える~」は小川珈琲(京都)やDari K(京都)、明治など9の企業・団体が参加する。参加企業からは39商品を販売する。消費行動の変化や購買を検証し、エシカルフード市場をつくるヒントを探る。
「エシカルフード基準」はCCCMKホールディングスが12人の有識者とともに作成した。基準では環境、動物、人・社会、政治に対して企業や商品が倫理的な配慮をなしているか確認する。企業規模に応じて対応できるよう、大手企業版と中小企業版がある。
基準づくりに携わったグッドテーブルズ(東京・千代田)の山本謙治社長は「グローバル基準のなかの基本は環境、人権、動物、これを日本にマッチした基準として策定した」と話す。
今回参画した企業からは、商品をエシカルにすることは「事業を継続していくうえで必須」という声があがった。小川珈琲の三輪欣悟氏は「おいしいコーヒーを安定的に供給していくためには、(環境や人権などに配慮した)持続可能な生産は必要不可欠」と述べる。
一方で市場はまだ小規模だ。認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン(東京・中央)の調査「国内海外フェアトレード市場動向」では2021年の日本の市場は、ドイツの18分の1にとどまる。規模の拡大に向けては「時々エシカルな商品を購入する層」を増やせるかがポイントになる。
CCCMKホールディングスでは消費者にエシカル商品の購入を促す施策として「エシカルフードアクションスコア」を準備する。これはエシカルフード基準を満たした商品の購入などでスコアを加算するものだ。来年冬頃の実装を目指す。
「Tカードみんなのエシカルフードラボ」プロジェクトリーダーの瀧田希氏は「スコアを通じて、メーカー、流通、消費者と、エシカルフード市場をつくっていきたい」と意欲を示した。今回の取り組みは第一歩となりそうだ。