ワイン?実は「幻のコメ」--1週間で1000本を完売

おしゃれな包装の「KOTAKI WHITE」
おしゃれな包装の「KOTAKI WHITE」

長野県栄村産の「幻のコメ」を、おしゃれなワインボトルに入れて売り出したところ、1週間で約1000本を完売する快挙を達成した。東京・銀座の高級子ども服店がプロデュースした。コメの販売価格が低迷するなか、新しい販売手法として注目されそうだ。

このコメは、長野県栄村小滝集落で収穫した。全国有数の豪雪地帯のふもとにあり、冷たい雪解け水で育てたコメで、粘りや甘みが特に優れているという。

これまで全国区では知られていなかったが、小滝米のおいしさに着目した子ども服店「ギンザのサヱグサ」の三枝亮社長がプロデュースし、12月初旬に法人顧客のお歳暮向けにセールスしたところ、1週間で1000本を売り切った。

通常のワインボトルに「KOTAKI WHITE」(小滝産白米)というラベルを貼り、4合(約620グラム)のコメを地元有志が充填(じゅうてん)して、製品化した。

サヱグサは、今年から栄村で子どもたちの自然体験活動「GREEN MAGIC」を実施しており、その縁で、栄村小滝集落の復興や農業支援に携わることになった。

価格は1本1500円(税込み)。同村は2011年3月12日の長野県北部地震の震災で被災しており、売上げのうち50円を被災地支援金として寄付する。

三枝社長は「通常のコメ販売では和風の包装しかなかったので、洋風でおしゃれなパッケージで売ってみたかった。また、コメは空気に触れると劣化するので、実はビン詰めが適している」と話した。

コメの充填やラベル貼りは地元の有志が行った
コメの充填やラベル貼りは地元の有志が行った

ボトルや包装のコストはあるものの、このコメは1キロに換算すると2400円と、かなりの割高。しかし、お歳暮向けとしては「2本で3000円」とおトク感があるのも成功した要因といえそうだ。

ワインボトルへの充填は、栄村小滝集落の農家の家族らが行なった。三枝社長は「コメをきちんとした価格で売ることで、コメ作りを持続可能にするとともに、地域に雇用を生み出したい」と期待している。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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