レンタルのように、製品自体を売るのではなくサービスの仕組みにして、利用料金を徴収するというビジネスモデルです。利用者から見れば、使う分だけ費用を払うという合理性があります。所有しなければ、維持管理費、設置収納のスペースなどのコストが低減できます。一方、事業者は、サービスの提供により製品販売よりも収益が上がればビジネスになるのです。

また、30分以内は無料という設計にも意味があります。各人の必要な利用にとどめる誘導効果があり、結果としてできるだけ多くの人が利用しやすくなる仕組みです。

■ 「共有価値の創造」の時代 ― CSV(Creating Shared Value)

製品を販売して消費者が所有するよりも、利用サービス全体としての環境負荷の軽減・渋滞緩和・景観配慮などの共有価値が創造されるのです。

日本の近江商人の経営哲学に照らして見ると、事業者・利用者・社会の間で「三方よし」(売り手よし・買い手よし・世間よし)が形成されています。

この自転車シェアの手法は、「持続可能な消費」やライフスタイルのあり方にも関係し、関係者間での「共有価値の創造」が生まれやすい代表的事例ですので、私は注目しています。このコラムでは、ハーバード大学のマイケル・E・ポーター教授らが提唱するCSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)の角度からの分析も今後加えていきます。

自動車の分野でも、「カーシェアリング」が日本や世界各国で始まっています。自動車による移動というサービスをシェアリングという仕組みの中でうまく生かしています。電気自動車を活用すれば環境技術と社会的システムの融合です。持続可能なコミュニティの実現への一歩として期待されます。

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