
「どのカテゴリにもはまらないポジションになりたかった」。タレントのはるな愛さんは2月10日、英国発エシカルコスメ「ラッシュ」のイベントでこう話した。性的少数者として芸能活動する上で、「自分を当事者全体の代表とするのではなく、多様性の一つだと知ってもらいたい思いがあった」と言う。(オルタナ編集部=佐藤理来)
今回のイベントは、ラッシュが行うキャンペーン「LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)支援宣言」の一環としてプレス向けに開かれた。初の「オープンリーゲイ」(ゲイであることを公表している)として当選した石川大我・前豊島区議会議員や、LGBTが素敵に歳を重ねていける社会づくりをするNPOグッド・エイジング・エールズの松中権代表も登壇し、性的少数者を取り巻く状況や企業として取り組むことへの意義などを説明した。
生まれた時の性に違和感を覚え、性転換を望む人は一般にトランスジェンダーまたは性同一性障がい (GID)と呼ばれるが、トランスジェンダー全てが性転換後に異性を好きになるとは限らない。同性を好きになる人や肉体の性転換を望まない人もおり、トランスジェンダーと言っても形は多様だ。
はるなさんは小学生のころ、男性として生きることに違和感を覚え、現在は性転換手術を受け、男性と恋愛もしている。
「私を見て、『ニューハーフはこうだ』とイメージを固定化されるのは違うと思った。だからわざと男の声を出してみたこともあったし、色んなことをした。でもどこにもあてはまらないことで、みんなの代表にもなれたと思う」(はるなさん)
ラッシュは今年、バレンタインシーズンに合わせて、性的少数者への差別禁止を人事規定に盛り込んだり、店頭やウェブ上でLGBT支援に取り組む行政への応援メッセージを募ったりしている。
キャンペーンサイトにはLGBT支援に取り組む有名人らからの応援メッセージが掲載されており、はるなさんからのコメントは以下の通り。
「よく『男性ですか?』『女性ですか?』と聞かれますが、私は『はるな愛』です。(中略)皆さんは100%男ですか?女ですか?そんなことをもっと世間の皆さんが考えていただき、100%の人間って何なのか、皆それぞれが欠けている部分があったり、もっと増している部分があってもいいと思う。100%じゃなくてもいいと思います。そういう分かり合える世の中になってもらいたいと思います」(メッセージ全文はこちらから)