NPO法人横浜スタンダード推進協議会(横浜市)は2月16日、「地域企業CSRサミット」を横浜で開催した。横浜市立大学国際総合学部の影山摩子弥教授による基調講演のほか、地域に根ざしたCSRを実践する企業の事例発表などが行われた。(オルタナ副編集長=吉田広子)
横浜市では、市民を積極的に雇用するなど地域を意識した経営を行いながら、社会的事業に取り組む企業を「横浜型地域貢献企業」として認定し、支援している。現在、313社が認定を受けている。
CSRサミットでは、地域を支え、地域に必要とされる企業を「地域企業」と定義し、地域企業だからこそのCSRについて議論された。
基調講演を行った影山教授は、「地域に貢献する企業は、地域社会に支えられる。地域を意識した『地域志向CSR』は、『地域経済の活性化』や『地域福祉の向上』をもたらす。社会の期待やニーズに応えることは、企業の存続につながっていく」と強調した。
分科会「地域企業による事例発表」では、オフィス空間のプロデュースを行うソーケン(東京・中央)、工業用ヒーターメーカーのスリーハイ(横浜市)、日産自動車、ワイヤーカット放電加工を行う氷川工作所(さいたま市)、分譲住宅メーカーの三井開発(さいたま市)の5社が発表した。
スリーハイは、地域の中学生や企業とともに防災マップを作成。もともとは工場跡地に住宅が増えてきたため、騒音トラブルなどに発展しないよう近隣住民とコミュニケーションを取ることが目的だった。防災マップをつくる過程で、助け合える関係ができてきたという。
横浜市と同様、さいたま市もCSRに熱心な企業を支援する「さいたま市CSRチャレンジ企業」認証制度を実施している。さいたま市に拠点を置く氷川工作所は、車イスでも卓球できる「デコッパラケット」を開発するなど、楽しいCSRを実践している。
このほか、当日は地域の課題を来場者と共有する「課題解決ダイアログ」や、「インターンシップとバイターンを活用したCSR」などの分科会も行われた。