■農水省「健康に影響ない」

署名提出に続いて行われた交渉で、グリーンピース・ジャパンの関根彩子氏は「環境中で使用される農薬の使用に関する法律に、なぜ予防原則の観点がないのか」と質問。NPOダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議の水野玲子理事も「ネオニコチノイドは胎児の脳への影響が懸念されている。そのことは考慮してほしい」と訴えた。

これに対して農水省の瀬川雅裕・農薬対策室長は「(残留基準は)食品安全委員会の再評価を受けて、厚労省がADI(1日許容摂取量)、ARfD(急性参照用量)を踏まえて検討している。人への健康に影響はない」と説明。「ホウレンソウの基準緩和はアブラムシ、アザミウマの防除で必要」と答えた。

EUはネオニコチノイド系3農薬について、花粉を媒介するハチへの悪影響を考慮し、2年間の暫定使用禁止に踏み切った。「暫定的に使用を制限し、その間に調査を進めることはできないのか」との質問に、瀬川氏は「ネオニコチノイドは、現在の調査指標では環境影響が少ない非常に重要な農薬だ」と回答。

その一方で瀬川氏は「ミツバチへの毒性は高いことがわかっている」とも話したが、対策の中身については「使用方法について気をつけるよう、当面は農家やメーカーにお願いしていく」と述べるにとどまった。

交渉を終えて佐藤氏は「農水省の説明は農薬メーカーの意向そのまま、という印象を受けた。消費者の立場に立っていない。政府は重大な被害が生じてからでないと対策に動かないが、それでは今までと同じ過ちを繰り返すことになる」と話した。

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