アウトドア衣料品販売のパタゴニア日本支社(神奈川県鎌倉市、辻井隆行支社長)は4月1日、長崎県東彼杵郡川棚町で計画が進む「石木ダム」の建設反対運動を支援すると発表した。(オルタナ編集長=森 摂)
同県の川棚川の支流、石木川には美しい自然が残り、多くの野生生物が生息しているが、1962年に佐世保市の水源確保を目的として石木ダム建設計画が持ち上がった。
その後、人口減少や節水機器の普及で、ダムによる水源確保は必要ないことが分かってきたが、建設計画の見直しは行われていない。
パタゴニア日本支社はこれまで、ダム水没予定地の住民の声を長崎県や佐世保市に届けるため、直営の福岡ストアを通じ抗議活動に参加したり、全国的に建設反対の署名活動をしたりしてきた。
今後は、石木ダムの反対運動を推進する地域団体や地権者を全面的に支援していくことになった。
辻井・日本支社長は「パタゴニアは40年以上にわたるビジネスの経験を通じて、衣料品作りが環境や社会に多大な悪影響を与えることを学んできました。だからこそ、ビジネスを通じてそうした問題の解決を図ることが企業の責任だと考えています」とのコメントを発表した。
同社は売上高の1%を地球環境保全活動に寄付するプログラム「1% for the planet」を2001年から展開しているほか、米国でダムの在り方を問う映画『ダムネーション』を制作するなど、ダムや環境保全にまつわる活動を支援し続けている。