東京五輪に向け「自転車推奨ルート」整備、課題は

■今後は生活道路への対策も必要

幹線道路の網羅により、区域内の自転車利用の増加を図る今回の施策だが、今後課題となるのは路地など生活道路での対策だ。幹線道路と比べて車の交通量は少ないものの、道幅が限られる上、歩道のない道路では自転車と歩行者との事故の危険も高い。

内海氏は「生活道路では『車は来ないだろう、人は飛び出さないだろう』という思い込みが生じ、注意散漫になりやすい。日常的に自転車事故の危険が潜んでいる」と指摘する。対策として、限られた道幅では自転車レーンの設置は難しいため、自転車ナビラインや自転車ナビマークのような「路面の法定外表示」が必要、と内海氏は説く。

「生活道路での路面の法定外表示は金沢市での事例がある。都内でも自転車ナビマークが描かれた道路では逆走自転車が減っているように感じる。自転車で通学する生徒や学生への指導を合わせて行うことも有効だ」(内海氏)

路面への表示は、20年に向けて増加が予想される外国人観光客への効果もありそうだ。「言葉の壁を越えて自転車利用ルールを伝えるためにも、路面にピクトグラムを描いてほしい」と内海氏は話している。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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