米国大使館は辺野古の自然破壊を知らなかった?

青い海の底に沈められた巨大なコンクリートブロックの写真を、担当者らは身を乗り出して見入った――。沖縄・辺野古での米海兵隊新基地建設をめぐり、環境NGOのグリーンピース・ジャパンは4月末、米国大使館(東京・虎ノ門)を訪問。大使館担当者に面会し、現地の環境保全に関する意見交換を行った。その際に担当者らは、工事による環境破壊の実態を知らなかったかのような素振りを見せたという。(オルタナ編集委員=斉藤円華)

■「大使館担当者、身を乗り出して資料に見入る」

グリーンピースが米国大使館に示した、沖縄本島周辺のジュゴンの生息の関する調査資料(同NGOのブログから引用)
グリーンピースが米国大使館に示した、沖縄本島周辺のジュゴンの生息の関する調査資料(同NGOのブログから引用)

この会合で、大使館からは環境、広報の各担当者、および軍事担当者2名の計4名が登場。グリーンピース側はラターナ・チア部長、広報担当の関本幸氏、キャンペーン担当の関根彩子氏の3名が出席した。

NGO側は、米国政府が沖縄県民の要望を直接聞いているのかなどを質問。キャロライン・ケネディ駐日大使が翁長雄志・沖縄県知事との面会を「目的が不明確」と断ったのは事実か、とたずねると「事実ではないが、我々は大使に代わり回答できない」と応じた。

また、NGOは会合前日、沖縄の自然保護関係者の同席を打診したところ却下されたため、現地の環境に関する資料を持参。海中のコンクリートブロックの写真や、沖縄本島の周辺海域に生息するジュゴンの行動範囲を空から調査した図などを提示した。すると「担当者は席を立ち、身を乗り出して資料に見入っていた。辺野古の自然の現状についてほとんど知らないような印象だった」(関本氏)という。

■軍事担当者が会合仕切る

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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