記事のポイント
- 東京の私立中高が4月から、生徒が決めたエシカルな制服を採用
- リサイクル素材の利用や卒業後の譲渡の仕組みづくりも進める
- 制服購入額の3%は寄付し、ガーナの学校給食や生理用品に
学校法人自由学園中等部・高等部(東京都東久留米市)は、新学期を迎える4月からエシカルな制服を採用する。リサイクル素材を用いて環境に配慮するとともに、卒業後に譲渡できる仕組みづくりも進める。制服購入額の3%は寄付とし、ガーナの学校給食や生理用品の配布などに使われる。(オルタナ編集部=松田 大輔)

自由学園中等部・高等部と特定非営利活動法人CLOUDY(クラウディ、東京・渋谷)は、同校で2025年度以降に利用する制服を共同で制作した。
自由学園は24年度から共学化。22年度から生徒が議論し、新しい制服をつくることを決めた。生徒たちから、快適性やコストだけでなく、エシカル・サステナブルであることも重視したいとの意見が上がり、ファッションと社会課題に取り組むクラウディに声をかけた。
生徒たちは、授業で視聴した映画「ザ・トゥルー・コスト」などを通して、ファッション業界の大量生産が環境負荷を招いている現実や、コストダウンのために生産工場で劣悪な就労環境が生じていることを知ったという。新しい制服では生産の背景にもこだわりたいと考え、クラウディと協議を重ねた。
「人に伝えたい制服」をコンセプトに、同校の生徒がデザインを発案、ガーナ人のデザイナー・デンチ氏らとともに制服を作成した。布地やボタンに再生ぺット素材を利用し、環境に配慮したデザインとした。卒業後には後輩に譲渡するなど、制服を循環できる仕組みづくりも進める。
クラウディは、アフリカ系デザインのファッションを展開するブランドだ。制服の購入金額の3%は、ガーナで活動する特定非営利活動法人クラウディに寄付され、同地の学校給食や生理用品の配布のために活用される。寄付額の使い方も、生徒が議論して決めた。同学園・広報室によると、25年度の寄付額は30万円程度となる見込みだ。