米国でPFAS規制をする州が15に増え、新たに全面禁止の州も

記事のポイント


  1. 米国でPFASを規制する動きが広がりつつある
  2. ニューメキシコ州では、消費者製品への意図的なPFAS使用を全面禁止する法案が可決した
  3. 米国で、部分的にもPFASの使用を規制する州の数は15に上る

米国でPFAS規制が広がりつつある。2025年4月には新たにニューメキシコ州が、あらゆる種類の消費者製品に意図的にPFASを使用することを禁止する法案に署名した。米国で、PFASの使用をなんらか規制する州は15州に上る。(オルタナ輪番編集長=北村佳代子)

PFAS使用を全面禁止とするニューメキシコ州は、消火用泡も有害廃棄物に指定

有機フッ素化合物の総称「PFAS(ピーファス)」には、1万種類以上の物質があるとされる。自然界でほとんど分解せず、生物の体内に蓄積することから、「永遠の化学物質」とも呼ばれる。

PFASには、水や油をはじき、熱に強く、腐食に対する耐性がある。そのため、調理器具での焦げ付き防止加工、衣料品での防水・撥水加工をはじめ、食品の包装、消火器用の泡、化粧品、半導体など、数千もの製品に幅広く使われている。

その一方で、環境破壊や発がんリスクなど人体への影響が指摘されており、欧米を中心にPFAS規制が進む。

■ニューメキシコ州では原則、全面禁止に

米ニューメキシコ州のミシェル・ルーハン・グリシャム知事(民主党)は4月1日、PFASを意図的に添加した消費者製品を全面的に禁止する法案に署名した。同法案は3月21日に開催された同州議会で、ほぼ全会一致で可決したものだ。

グリシャム知事は同日、PFASを含む消火用泡を有害廃棄物として分類する法案にも署名した。

ニューメキシコ州の禁止令は、2027年に調理器具、食品包装、デンタルフロス、玩具製品を対象に発効し、2028年には繊維製品、化粧品、家具、洗浄剤などにも対象を拡大する。そして2029年には、特定の医療機器や半導体など現状やむを得ないと判断される用途を除く、残りの全製品に対して、PFASの使用を禁止とする。 

さらに、意図的に添加された製品には、化学物質の含有を示すラベルの貼付を義務付ける。

■PFAS禁止規制は部分的でも全米に広がる
■ニューメキシコ州は消火用泡で米軍と争う
■同州内の空軍基地周辺に高濃度のPFASも

有料会員限定コンテンツ

こちらのコンテンツをご覧いただくには

有料会員登録が必要です。

北村(宮子)佳代子(オルタナ輪番編集長)

北村(宮子)佳代子(オルタナ輪番編集長)

オルタナ輪番編集長。アヴニール・ワークス株式会社代表取締役。伊藤忠商事、IIJ、ソニー、ソニーフィナンシャルで、主としてIR・広報を経験後、独立。上場企業のアニュアルレポートや統合報告書などで数多くのトップインタビューを執筆。英国CMI認定サステナビリティ(CSR)プラクティショナー。2023年からオルタナ編集部、2024年1月からオルタナ副編集長。

執筆記事一覧
キーワード: #サステナビリティ

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。