因みに、同社のワインの価格は、2014年プリモール(先物価格)の消費者価格で185ユーロ。生産量は12万本だ。

バイオダイナミック農法で使用する薬草の価格は、従来の農薬の3分の1以下で費用も節約できる。その代わり、太陰暦による農事暦に基づいた作業なので、ぶどう畑の作業員の手間が増えて、不規則な作業時間帯への対応が必要だが、人体に危険な農薬を使わず安心して仕事ができるようになったので、逆にモチベーションが高まっているそうだ。
従来のぶどう畑だけの単一農業から複合農業に切り替え、冬季はぶどう畑に放し飼いになっている雌羊(60頭)が、除草して、土壌に自然の肥料を与えている。雑草が生えているぶどう畑の所々にある空き地には、野花が咲いていて、これまで高級ワインのぶどう畑には無かった長閑な雰囲気が感じられる。

「10年以内に、ボルドー格付けシャトーの95%が有機栽培に転換すると思う。それ以外の選択肢は考えられない。」と断言するドゥルー氏。バイオダイナミック農法による最高級ワインの味の変化についてのコメントは時期尚早、差し当っては、ぶどう畑を歩くことが楽しくなったそうだ。