2014年6月、IUCN(国際自然保護連合)は、ニホンウナギを絶滅危惧種としてレッドリストに掲載した。(ヨーロッパウナギは2008年から掲載されており、2014年11月にはアメリカウナギもリストに追加されている。)
この結果、野生動植物の取引を規制するワシントン条約の規制対象となって、養殖用の稚魚や、成魚の輸入ができなくなる可能性も出てきた。日本、中国、韓国では、養殖用の稚魚、シラスウナギの漁獲制限など、共同の取組みを開始している。
ここでいうニホンウナギは、日本列島に生息するウナギを限定的に指すものではなく、広く、フィリピン、北部ベトナム、台湾、中国、朝鮮半島に分布する東アジアのウナギの種名だ。
21世紀に入り、東京大学のチームを始めとする多くの日本人の努力と国際的な取組みの積重ねのなかで、ニホンウナギの産卵場所が西マリアナ海嶺周辺であることが判明した。2011年までの調査で受精卵の採取にも成功し、産卵の時期は、6~7月の新月の2~4日前の夜。場所は、北緯13度、東経142度の、水深150m~200mの海域、といったことまでわかってきた。
実験室レベルとは言われるが孵化後まもない稚魚への給餌にも成功するなど、完全養殖への期待も高まる。また、アフリカ産やビルマ、インドネシアなど東南アジア産のウナギを原料とする蒲焼の製造も検討、試作されていると聞く。