音楽とともに鑑賞する新しい美術館体験、エリック・サティ展[三浦 光仁]

「エリック・サティとその時代展」ポスター
「エリック・サティとその時代展」ポスター

「エリック・サティとその時代」展が8月30日まで、渋谷の東急文化村ザ・ミュージアムで開催されています。会場に入る前からサティのピアノ曲ジムノぺディが流れてきます。美術館に広がる豊かな音色の出所はどこでしょう。(エムズシステム代表=三浦光仁)

企画者からこの展示のアイディアを提示されたのは、今から2年前でした。「エリック・サティとその時代」展を展開する際に、サティの音楽を会場全体で流したい!という基本方針に基づく企画です。

展開の順路の各所にエムズシステムスピーカーを設置し、あるところはDVDで、あるところではミニシアターも設え、5.1chでオリジナルのソフトを体感してもらいます。サティのその時代を展示物で俯瞰し、サティの音楽で包み込み、その時代の空気感の中で鑑賞してほしいという思いが込められています。

エムズシステムのスピーカーを使ってサティの音楽をかけています
エムズシステムのスピーカーを使ってサティの音楽をかけています

図書館で本を読むときや美術館で絵を見るとき、博物館で宝物を鑑賞するときなど、私たちはなるべく静かに、心穏やかにその作品と向かい合いたいと考えます。図書館や美術館、博物館を作り、維持する人々は、静謐な空間を作ろうとして、そこに流れる音楽をなかなか認めようとしません。

それは仕方のないことです。今までの指向性の強い音などに晒されたのでは、ゆっくりと読む、見る、鑑賞するという行為の妨げになるだけだからです。

ただし、残念ながら現代の図書館、美術館、そして博物館に静かな空間は存在していません。そこには空調の風切り音をはじめ、加湿器の音や、パソコンの機械音、さまざまなノイズが渦巻いています。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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