記事のポイント
- 王子ホールディングスと京阪グループがサーキュラーエコノミーに取り組む
- ホテル京阪で使用したアルミ付き紙容器をトイレットペーパーに再生し、ホテルで使用する
- 2025年8月にホテル京阪の関西圏の主要ホテル5施設からスタートし、順次拡大していく
王子ホールディングスは、京阪グループとサーキュラーエコノミーに取り組む。同社はホテル京阪で使用したアルミ付き紙容器を回収し、トイレットペーパーに再生する。再生したトイレットペーパーをホテル京阪で使用することでホテル内での資源循環が実現する。2025年8月から、ホテル京阪の関西圏の主要ホテル5施設からスタートし、順次拡大していく。(辻陽一郎)

王子ホールディングスは、京阪ホールディングス・ホテル京阪と共同で、客室のミネラルウォーターの使用済み容器をトイレットペーパーにリサイクルする仕組みを構築した。
ホテル京阪では、脱プラスチックの取り組みの一環で、客室のミネラルウォーターをペットボトルからアルミ付き紙容器に切り替えてきた。しかし、使用済み容器は回収や輸送、再生のオペレーションやコストに課題があり、これまでは一般廃棄物として処理されてしまっていた。
そこで、王子ホールディングスが回収から輸送、再生製品化までを一貫して担うことで、サーキュラーエコノミー実現に向けたリサイクルシステムが整った。
さらに回収時にホテルだけでなく、京阪グループのオフィスビルから古紙を合わせて運ぶことで効率化し、輸送コスト低減とCO2排出削減を両立させている。
このリサイクルシステムはまず大阪府内5店舗で2025年8月中旬から本格稼働する。年間約23トンの廃棄物削減と年間約27.6トンのCO2削減が見込まれ、資源循環型社会の実現へ貢献する取り組みとなる。 今後は全国のホテル京阪への展開も検討しており、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化していく考えだ。