サス検3級合格のポイントとは、社内浸透のきっかけにも

記事のポイント


  1. サステナ経営検定3級は約1万6千人が受験、金融機関や学生の受験者も増加 
  2. 3級は「CSRリテラシーの基本」の理解が目的となっている 
  3. 社内浸透はCSRという共通言語で会話できる社員が増えることで、検定もツールに

オルタナは8月20日、サステナ経営塾第21期上期第5回を開いた。第2講には、Nick‘s Chain代表/オルタナ総研フェローの木村則昭氏が登壇し、「サステナ経営検定3級試験の過去問演習と解説」について講義した。講義レポートの全文は下記の通り。 

■サステナ経営検定とは 

オルタナとCSR経営者フォーラムは、「旧CSR検定(サステナビリティCSR検定)」を全面的にリニューアルし、2015年にサステナ経営検定(当時の名称はCSR検定)3級試験を開始しました。その後、2級・1級・4級を順次追加し、現在の形となっています。 

3級はこれまでに20回実施されていて、受験者の累計は1万5961人にのぼります。合格者数は1万1117人で、合格率は約7割です。サステナ経営検定の公式サイトでは合格者数の多い企業・団体を掲載していて、上位3位は日立ソリューションズ・クリエイトやオリエントコーポレーション、リコージャパンです。直近では金融機関からの受験者・合格者が増えています。この傾向は2級でも顕著で、ESG投資の潮流に対応していくために学ばれているものと思います。 

3級の目的は「CSRの基本知識を身に付け、CSR活動が企業や組織の価値を高めること、企業や組織が民間公益活動の担い手であるNGO/NPOや他のステークホルダーと連携して社会課題を解決するなど、『CSRリテラシーの基本』を理解する」ことです。 

こうした目的から、3級の対象はCSRを学びたい社会人や学生・生徒などです。実際に学生の受験も増加傾向です。3級の合格者ランキング20社のなかには横浜市立大学・横浜市立大学大学院や明治大学が入っています。 

試験は40問あり、選択式です。合格ラインは80%以上の正答です。試験時間は70分なので、単純計算で1問あたり1分45秒です。短いなと感じられるかもしれませんが、しっかりと学習することで対応可能です。2025年版テキストの24年版からの改訂点は「企業と脱炭素」の項が加わったところです。 

合格のための学習ポイントは3つあります。ひとつはテキストを少なくとも3度、通読することです。3度通読すると、頭のなかにイメージができると思います。もうひとつは、過去問を少なくとも1度解いてください。検定HPに直近の過去問が掲載されていますので、そちらを解いてください。最後に模擬試験が実施される場合もありますので、こちらに参加してみることも良いと思います。 

合格するためのポイントもあります。まずは必ず全設問に回答することです。そして時間配分にも気を付けてください。また設問のなかには「適切なものを選びなさい」と「不適切なものを選びなさい」という二通りのパターンがあります。こうしたところで間違えないようにしてください。 

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2014年から不動産業界専門新聞の記者職に従事。2022年オルタナ編集部に。

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キーワード: #サステナビリティ

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