「地域で経済循環を」里山資本主義めざす岡山・真庭市長

機械化やIT導入で林業を効率化。低迷する住宅用材需要だけに依存せず、強度に優れたCLT(直交集成板)の生産や市場開拓にも力を入れる。CLTは海外では高層建築物の構造材としても使われ、輸出等にともなう需要増が見込まれる。

林業の活性化にともない発生する大量の間伐材や樹皮、端材などはボイラーや発電所の燃料として余さず利用する。今年4月に稼働を始めた出力1万キロワットのバイオマス発電所は、年14万8千トンの木質バイオマスを消費。市内の今年の推計利用量は約19万トンで、重油49億円分に相当する。

つまり、従来は産業廃棄物だった木質バイオマスを資源とすることで、エネルギー購入費の地域外への流出を抑えていることになる。地域内に留まる木質バイオマスの年間購入費は23億円に上る見込みだ。

真庭市の取り組みは、地域エコノミストの藻谷浩介氏らが著してベストセラーとなった『里山資本主義』(集英社刊)で紹介。里山を資源に地域再生を図る先進事例として注目を集めている。太田氏は地域の発展に不可欠な要素に「人が集まって楽しくなる仕組みづくり」を挙げた。さらに太田氏は「農山村の閉鎖性を打破するためにも、もっと都市の人材に来てもらいたい」とも述べた。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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