ケーススタディから考える少子高齢化と気候変動問題

■気候変動問題への取り組み
気候変動問題への取り組みとして、次の3つの事例報告が行われました。①NPO法人トランジション・ジャパンがトランジション・タウン藤野(相模原市旧藤野町)において進めている地域資源を市民が活かす実践活動、②白山市白峰地区における自然エネルギーとしての木質バイオマス燃料利活用、③ドイツSt. Peter村と島根県隠岐の島町におけるエネルギーの地産地消。

これらの事例は、変化を生み出すために行政に依存せず地域がオーナーシップをもって主体的に新しいライフスタイルを提案している事例として報告がなされました。

報告後には「これらの事例が最終的な成果とするものは何か、そこに至るまでの継続性はどのように確保されているのか」「ビジネスとしての取り組みと運動としての取り組みがあるが、ソーシャル・イノベーションをどう定義・理解するか」などの質問により、活発な質疑応答が行われました。

事例報告後のパネルディスカッションでは、ソーシャル・イノベーションはカリスマ的な個人だけが生み出すものではなく、さまざまなステイクホルダーとの相互作用を通じて資源を動員し相互に学習し相互に変化していく中で生まれると考えられること、ソーシャル・ビジネスによるアプローチと運動によるアプローチがあると考えられることなどの意見交換が行われました。

またこの領域においては研究者だけでなく行政や企業などの実務家との議論が重要であること、そして研究者にはそうした議論や事例研究を通して理論構築していく姿勢が求められることなどの意見交換も行われました。

JFBSでは主催する研究会のほかにも、このような外部研究会への協力・共催もしております。会員・非会員の皆様の積極的なご参画をお待ちしております。

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齊藤 紀子(企業と社会フォーラム事務局)

原子力分野の国際基準等策定機関、外資系教育機関などを経て、ソーシャル・ビジネスやCSR 活動の支援・普及啓発業務に従事したのち、現職。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了、千葉商科大学人間社会学部准教授。

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