
CSRブランディング最前線 第10回
私の公開講座にお越しになる受講生から、よくこんなシンプルな質問を受けます。
「ブランド」って、何ですか?どうやって作るのですか?
今やマーケティング分野だけではなく、企業経営において、『ブランド』が競争力の源泉となる重要な資産の一つであることは、共通の認識になってきています。そこで今回は、「ある牧場主」のひたむきなブランディングを例に解説します。
牧場主Aさんの『ブランド・A』ができるまで
『ブランド(brand)』は、他の牛から自分の牛を区別するために、牛のわき腹にジューと押した独自の「焼き印(burned)」が語源といわれています。牛の所有者は、その焼き印によって「うちの牛ですよ」と主張できますし、周りはその「焼き印」を見て、「どこそこの牛だ」と識別します。
では、ある牧場主・Aさんに登場いただきます。Aさんは、子供の頃から、牧場主になるのが夢でした。広々とした土地に、お気に入りの工夫をこらした牛舎を構え、自分ならではの育て方や製法で、格別の牛肉を提供し、思いを込めて世の中に喜んでもらおうと努力を重ねてきました。