必要とされる対応は?

ここで述べた捕獲規制除外の問題について、WWFとトラフィックは、その「目的」を限定するよう修正を求め、提案しています。

具体的には、現行の環境省の案にある「販売または頒布する目的以外」という記述を、「学術研究又は繁殖目的、その他、環境省令で定める目的」に限り許可する、という表現に変更することです。

こうすることで、「販売以外ならば何でも捕獲・採取OK」になってしまう問題は、抑えることができるでしょう。

現在、環境省が公開している日本の絶滅危機種のリスト「レッドリスト」に掲載されている野生生物は、実に3,500種以上。

その大半は、法的な保護下に置かれていない一方、保護が義務付けられている「国内希少野生動植物種」は、以前より増えたとはいえ、200種あまり。

2030年までに見込まれる追加指定の種数を加えても、700種にとどまっています。

捕獲や採取は一切認めるべきではない、という考え方もありますが、こうした日本の希少な野生生物を、今後より多く、長期的に保全していくためには、捕獲や採取を伴う科学的な調査が研究を行なうことが欠かせません。

その点を考慮しても、今回の法改正で検討された、捕獲の規制を一部解除する試みには、意味があるといえるでしょう。

しかし、そうした新しい施策が、むしろ危機につながる大量捕獲や取引を招くものになってしまうのであれば、それは本末転倒です。

今回の「種の保存法」の改正案は今後、衆議院および参議委での審議を経て、成立する見込みですが、実際にどの動植物を「特定第二種国内希少野生動植物種」に指定するかは、いまだ不明です。

おそらく、改正法案の決議後、その枠組みのもとで環境省が定める「政省令」で指定されることになると思われますが、実際どのような動植物が選ばれ、その種についてどのような保護上のリスクが生じ得るのか。

WWFとトラフィックでは引き続き注目しながら、提言を続けてゆきたいと考えています。

*この「【シリーズ】改正!種の保存法」では、次回は2つ目の改正のポイントとして、「問い直される動物園・水族館をめぐる制度」をお伝えいたします。

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