東芝は9月3日、米国最大のウラン濃縮事業者であるユーゼック(USEC)に対して米バブコック&ウィルコックス社と共に7500万ドルの折半出資を行ったと発表した。アジア等における原発の新規建設増加を見越し、濃縮ウランの需要増加を商機につなげる考えだ。
ユーゼックはロシアのロスアトムに次ぐ世界第2位のウラン濃縮大手で、世界のウラン濃縮設備の19%を保有するとされる。同社では新型遠心分離機の開発も進めており、濃縮ウランの需要拡大に向けた準備を整える。
出資総額は1億ドルで、今後2回の出資により完了する。東芝は米原発大手のウェスチングハウス社を傘下に収めており、ウラン鉱山確保に始まりウランの転換、濃縮、発電所建設など、原子力事業における一貫態勢を構築する構えだ。(斉藤円華)