編集長コラム)ESG投資をする側の見識も問われる

もし投資家が「寄付やボランティアは、価値創造をしないので単なるコストである」と考えるのであれば、それは早計というだけでなく、我が国の社会貢献活動を著しく阻害しかねない。

さまざまな社会課題を解決するNGO/NPOは、企業からの支援が欠かせない。持続的な支援をする企業に対しては社会満足度(SS)が必ず高まる。社員がボランティアをすることにより、社会的な意識や自社に対する忠誠心が高まり、ES(顧客満足度)が高まる。

こうした現状を無視して、短期での価値創造を企業に求めることは危険である。価値創造のタイムスパンは、持続可能な取り組みであればあるほど、長期的になる。それをこれまでの投資慣例によって短期で判断してしまうとおかしな結果になる。

参照図でも、第4象限の「社会貢献/フィランソロピー」の重要性を認めつつ、第1象限の「価値創造型CSR」を企業に勧めている。それが赤い矢印だ。だがその実現には時間が掛かる。投資家には、その点を理解できる見識と力量を求めたい。

(本コラムは、サステナブル・ブランド国際会議フォーラム会員向けのSB-Jマガジンに連載しています)

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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