編集長コラム) 「本業を通じたCSR活動」の限界

仕事がらNGO/NPOに話を聞くことが多いが、最近、「企業からの寄付が低迷している」と嘆く担当者が増えているように感じる。

担当者は「寄付が低迷するきっかけはリーマンショック」と異口同音に言うが、その後、世界経済は復調し、日本でも企業収益は増えているので、この説明では少々納得できない。

そこで「寄付白書2015」(日本ファンドレイジング協会編)を開くと、驚くべき数字があった。

個人の寄付(2014年)は7409億円と、2010年に比べて1.5倍になったが、法人からの寄付(2013年)は6986億円と、2010年と比べてほぼ横ばいにとどまっていたのである。

時期は若干ずれているものの、「日本では、個人からの寄付が法人からの寄付を総額で抜いた」(鵜尾雅隆・日本ファンドレイジング協会代表理事)のだ。

法人からの寄付が低迷する原因は何だろうか。と考えると、一つ思い当たるフシがある。それは「本業を通じたCSR/CSV活動」というスローガンだ。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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