有料化後、買い物にマイバッグ持参で、という慣習は驚くべき早さで広まり、家庭に持ち帰られるレジ袋の量も今年までに8割近く削減された。
とはいえ、他のプラごみも減らそうという動きは消費者レベルではなかなか見られなかった。そこに突然、全国的な脱プラへのうねりが起こった。
大きなきっかけは、昨秋に放映されたBBCドキュメンタリー番組「ブループラネットⅡ」だ。長年にわたって自然ドキュメンタリーを制作し、91歳の今も自らプレゼンターを務めるアッテンボロー卿がプラスチックごみによる海洋汚染のとんでもない実態をお茶の間に見せつけ、大きな反響を呼んだ。
2017年視聴率トップを誇ったシリーズの放映終了から、ほどなく発表された次年度国家予算案には、さりげなくペットボトルにデポジット課金制度を導入する計画案が盛り込まれていた。
さらに年明けには、メイ首相が「2042年までにイギリスを脱プラ社会に」と宣言。その演説の中にはまるで「ブループラネットⅡ」の一場面を描写しているかのような表現もあった。
番組の制作に協力したエリザベス女王までもがなんと「王室も脱プラします」と発表し、メディアに「アッテンボロー効果」と評された。