「企業と社会の戦略的コミュニケーション」とは

■キーノートスピーチ

Carol Adams教授(Durham University, UK)、および福永朱里氏(Burson-Marsteller Japan代表取締役社長)が登壇しKeynote Speechを行いました。

Carol Adams教授からは、「社会的インパクトおよびSDGsに関する戦略とレポーティング」をテーマとして、レポーティングやガバナンスにおける動向および大学による価値創造とレポーティング活動について報告と問題提起がなされました。

企業にとって気候変動がリスクになっているとの認識の高まり、非財務情報を報告書に組み込んでいくための様々な支援、中長期的成功のためのステイクホルダーの重要性、価値創造に関する情報を開示することの必要性などを背景に、レポーティング施策・実務にも、ガバナンス施策・実務にも変化が起きていることが指摘されました。

統合レポートの分析結果からは、財務パフォーマンスと社会・環境面でのパフォーマンス間の因果関係が強まっていることが読み取れること、社会的投資と中長期的価値創造の関係が強まりつつあると考えられることを説明されました。一方で大学によるレポートの質は低く、大学による価値創造をいかにレポーティングしていくか考える必要があることを指摘されました。

福永朱里氏からは、「企業と社会におけるコミュニケーションの役割:企業理念と社会的ニーズを関連づけること」をテーマとして、企業と社会の関係におけるコミュニケーションの役割について問題提起がなされました。

同社は「企業は社会の一員としての責任をもつ」という認識のもと、広報活動サポートサービスをグローバルに展開しています。PR(Public Relations)とはすなわちステイクホルダーエンゲージメントである、として社会のニーズに応えていくことの重要性が指摘されました。また現代社会では、(ベーコンが豚肉からできていることを子どもが知らないなど、食品と消費者が切り離されていることを例に挙げ)透明性が必要であり、ストーリーをもって人々に伝えていくことが求められると指摘しました。

■プレナリーセッション1「企業と社会の戦略的コミュニケーション」

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齊藤 紀子(企業と社会フォーラム事務局)

原子力分野の国際基準等策定機関、外資系教育機関などを経て、ソーシャル・ビジネスやCSR 活動の支援・普及啓発業務に従事したのち、現職。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了、千葉商科大学人間社会学部准教授。

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