絶滅の危機に瀕している生物、海のプラスチック汚染の問題など、さまざまな環境問題をエンターテインメントとして演出しながらも真剣に考えてもらおうという体験型ショー「絶滅体験レストラン」が4月20日、原宿で開催された。絶滅危惧種の生物に扮したダンサーらが華麗なショーを演じ、合間に食事が提供される。将来、生物の絶滅によって食べるものが限られていくことを想定した素材やメニューだ。五感を使って「絶滅した未来」を体験できるショーや食事とはどんなものか、実際に体験してきた。(環境ライター=箕輪弥生)
■エンターテインメントで地球の危機を伝えたい

「1年間で絶滅する生物が約4万種にのぼることを知っていますか」。絶滅体験レストランを企画・制作し、ショーの進行も行う「WoWキツネザル」ことMCあまり氏は来場客に呼びかける。
あまり氏が扮するワオキツネザルも現在は約2000匹にまで減り絶滅に瀕している。原因は住処となる森林の減少や密漁などによる。
あまり氏は2年前にワオキツネザルが生息するマダガスカルに実際に行き、破壊される森や絶滅していく動物を間近でみて、何かを変えたいと強く思ったという。
「でも生物多様性や環境の問題は興味がある人とない人のギャップが大きすぎる」。そう感じたあまり氏は知識だけでなく体験できる機会をつくりたい、しかもエンターテインメントでそれを伝えたいと考えた。その強い思いから始まったのがこの企画だ。

ショーは生命の輝きと絶滅の悲しさを表現したダンスパフォーマンスで始まった。会場は海外からの旅行客にも人気の原宿にある「KAWAII MONSTER CAFÉ」だ。
食事は6つのコースが提供された。絶滅した未来の食材を使ったコース料理は大和橘という絶滅しつつある日本固有種のジュースから始まった。さわやかな柑橘類のジュースだ。
次は前菜として「極彩色の贅沢なサラダ」。エディブルフラワーなどもあしらってカラフルでフレッシュなサラダだ。まだ私たちは多くの野菜に囲まれているらしい。
